「LOOSER〜失い続けてしまうアルバム」

TEAM-NACS 第10回公演 東京公演
2004年5月15日 池袋・サンシャイン劇場

〜STORY〜
30歳のしがないフリーター佐藤重幸は、友人の音尾に誘われ大河ドラマのスタンドイン(代役)のバイトをしていた。
ある日、ロマンス通りで謎の男から白き薬をもらう。
その薬は1包みで10年の時を遡るという。
その薬をシゲは15包み、150年前へと時を遡る。そこは幕末の世。
新選組・山南敬助として、または長州藩士・吉田稔麿として、
そして、今の自分がどうあるべきか葛藤していく…

〜感想〜
サンシャイン劇場はキャラメルの時に2回ほど来ているのだけど、何か異様な熱気で明らかにいつもと違う。
開場前、様子を見に行くと、もう既にすごい並んでると言う状況がまず違う。
キャラメルの時は割と空いてる平日を狙って行ってたせいもあるかと思うけど、ロビーがあんな混んでる状況なんて…
花もジブリやらキャラメルやら、HTBバラエティー御三家、一青窈、山口もえなどいろいろある中一番驚いたのが吉本興業。
レギュラーときんに君と村上ショージぐらいしか繋がりがわからない。

明らかに札幌で見るときと客層が違った。
男だらけ4,5人のグループとかいくつかあったもの。
あくまでどうでしょうの延長戦でしかなかったのかもしれない。
それは生大泉洋を初めて見る道外勢にとってしょうがないことかもしれないけど…

中に入ると、通路席が一番前から並んでいることに驚く。
消防法に引っかかるのではないだろうか?
キャラメルや新感線などで慣れてるせいか、サンシャインは元々割と入れちゃうという話ですけども何だろうかこのものすごい圧迫感…
普通でも道新より狭く感じる劇場なんですよ。
席数はサンシャインの方が多いけど。

ちなみにこの回にもテレビカメラが入っておりました。

リーダーの挨拶、注意の後、三三七拍子からスタート。
しかし、結構ぐだぐだのまま芝居に突入。

前から2列目だったので、迫力はすごい。表情なんかもばっちりわかる。
それと新しい発見。
シアテレやクローズドサーキットでご覧になった方もわかったと思いますが
チームハンサムがあんなに汗っかきだったとは。すごかったな。
音尾くんもかいてたけどね。
それに引き替え、大泉さんほとんどかかず。女優さんみたいだ(笑)

シゲの台詞に出てくるロマンス通りは、東京公演仕様ですね。
池袋西口、サンシャインとは駅の反対側にあります。
ちゃんと合わせて来たねとちょっと嬉しい。

新選組という題材的にはしょうがないとは思う。これでも減らしたらしいけど、説明台詞がやはり多く感じた。
東京公演を意識しての大泉校長と安田くん、個人的には余計だった。
そこ利用しちゃやっぱりダメだと思う。
地域によってバラバラなんだから、インプレスで見てる人だって限られてるだろう。
あとシリアスなシーンのところで、中途半端に間に余計な笑いを入れちゃってたのがもったいなかったかな。

真ん中あたりのシゲの葛藤はなんだか長く感じた。
土方と桂の間で説得しながら、結局自分で決断して吉田として桂を逃がして
土方に斬られてしまうところはよかったけど。
それでシゲ自身前向きになれたというのがハッキリしててよかったと思う。
聞くところによると、札幌ではこの辺が違ったらしいですね。
それにしても刀好きなのに何でいつも振り回せないんだろうかシゲは…

芹沢鴨はすごくよかった。破天荒な割に切なくてねぇ。
ただ前過ぎてせっかくのお梅のところが見づらかったのが一番残念。
翌日、シアテレで十分確認しました。
古高は、あれだけ連呼されたさすがにツボ。「俺だい、古高俊太郎だい」

音尾くんの沖田と桂の演じ分けはさすが。
若い沖田の「山南さ〜ん」というやわらかな笑顔の中の狂気と桂の重厚な感じ
この人はやはり一番の役者だ。ほんと幅広いよね。
あとやはり魚ネタ。全身で来るとは意外。でも、1回で十分だったかも。

大泉さんの土方。大泉さんが演じるちょっと悪役というか策士。
実は個人的に1番ハマる役柄。
ビデオで見たイナダ組の『蒼き狼』がすごく好きなもので、この手のには滅法弱い。
そして、土方が「坂本龍馬」を演じていたというのが結構斬新。
羽織を裏返して切り替えるところなんかいい演出だなと思った。
目の前で「よう聞け、おんしゃー」と言われたらすごいド迫力。
シアテレのアップで気づいたけど、大和屋のときが一番タチ悪いいい顔してた。

ここに来てニューキャラの藤堂平助はなぜに高橋英樹調だったのか?
カーテンコールの挨拶でも高橋英樹だったものなぁ。
第二部の歌謡ショーの実現はぜひジャンボリーで(笑)

リーダーは今回割と抑えめ。近藤はあってたと思うけど、宮部の「ばい」はうーむ…
モリの海は『ミハル』に続き自ら着ぐるみ担当ですか?

音楽も「各駅停車」を除いては、ドラバラで繋がりができたターナーカーと下川さんによるオリジナル。
オリジナルになったことはいい。ちょっと蟹頭っぽいなとも思うけど。
ただ照明は断然WARの方がよかった。
芝居全体はWARより、主役シゲの意志が最終的にハッキリしてたLOOSERの方が好き。

祭に関しては、道外人だけど、こんなイベント的な感覚ではなくもっと普通に芝居を見たかった。イベントは夏あるんだからさ。
有明でも締めの挨拶で社長が言ってたことだけど、ほんとに見たかったら札幌に行けばいい。今までもそうしてきたし、それでいいと個人的には思っている。

でも、この調子だとサンシャイン劇場からまた呼ばれることがあるかもしれない。
そのときは、もっと普通に芝居を見る雰囲気で楽しめたらいい。

東京でやるなら次はぜひイナダ組でお願いしたいというのが、実は一番の本音…
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